日本産婦人科学会の妊娠とコロナ感染に関する最新見解

 

妊婦さんとコロナ感染に関する、現時点での、日本産婦人科学会の見解です

産科的管理に関して
妊婦さんご本人と医療スタッフの感染リスクを避けるため、
原則として、帰省分娩と分娩付き添いを推奨しません。ただ、地域の流行状
況や患者さんの背景などをみて主治医の判断で弾力的に運用をお願いします。
妊娠初期・中期に高率に流産、死産や胎児奇形を来す可能性は少ないので妊婦
さんで感染が疑われる場合は自宅安静を指示してください。仮に感染が判明しても大部分は軽症であり薬物療法の適応はありません。

有効の可能性のある薬剤は妊婦禁忌であり、特効薬はありません。妊娠中の高
熱はサイトカイン血症により胎児に影響を来す可能性がありますので、適切な
補液や解熱剤の投与は有効と考えられています。但し、イブプロフェン投与で重
症化するとする報告がありますので極力 NSAIDs は避けて、アセトアミノフェン
など他の薬品をご考慮ください。
漢方薬については中国から、明らかな抗ウイルス活性はないものの、症状を緩
和するには有効との報告があります。免疫力増強をうたうサプリメントや様々
な民間療法、子宮温熱、ホメオパシーやアロマセラピー、ビタミン剤大量点滴等
には何の効果もありません。妊婦の治療にあたる専門家としての矜持を持ち、エ
ビデンスに基づいた医学的適応で処方をお願いいたします。